空き家活用の話10

本ブログにアクセスいただき、誠にありがとうございます。

 

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

ニュースサイトなどをチェックしていると、空き家に関する記事をよく見かけるようになりました。

 

京都では空き家などに課税するいわゆる空き家税の導入がなされることが決定したり、高級住宅地として有名な東京の世田谷区は全国の自治体の中で最も空き家が多いという話題が出てくるのは、空き家に対する関心の高まりを表しているのだと考えられます。

 

これらの空き家の中には、所有者がいるが居住・管理がされていないものと、相続人不在により所有者がいなくなってしまったものが混じっていると考えられます。

 

令和5年4月1日以降は、どちらのケースにおいても、法律上対応ができるようにはなりました。

 

空き家が増えることの問題は、主に2つあると考えております。

 

1つめは、倒壊や汚損、獣害・虫害、不法占有などによる、近隣住民からみた住環境の悪化です。

 

実際、近隣住民から住環境が悪化している旨の申入れを受けた自治体が、相続財産清算人(旧相続財産管理人)選任の申立てをするというケースもあります。

 

もう1つは、住宅地の供給不足です。

 

特に、ベッドタウンや住宅街など、比較的人口が多い地域で問題になります。

 

京都での空き家税の導入の背景には、住宅の供給不足という事情があったと言われています。

 

自治体が土地の有効活用のため、近隣住民からの申入れがなくても、率先して相続財産清算人(旧相続財産管理人)の選任申立てをしているというケースもあります。

 

世田谷区などは、基本的にはとても価値の高い土地であると考えられますので、空き家になったまま再利用できない状態が続いてしまうのは、社会的にも損失が大きいと考えられます。

 

今後、自治体主導の空き家対策が進んでいくことを望みます。

空き家活用の話9

今回も本ブログへのアクセス、ありがとうございます。

 

弁護士・税理士の鳥光でございます。

 

受け持っている相続財産管理人(令和5年4月1日以前に選任)としての事案が、一つ終了しました。

 

被相続人の財産を、原則的にはすべて売却換価し、預貯金にしたうえで、小切手化して国庫に引き継ぐという手続きをします。
(相続人がおらず、債権者への弁済、特別縁故者への財産分与後に財産が残る場合)

 

銀行での手続きには、予想外に時間を要することもあるので、スケジュールに余裕をもって手続きをします。

 

国庫に納める預貯金の中には、被相続人の自宅土地建物を売却した際の売却金も含まれています。

 

義務はないのですが、見届けたいという思いから、被相続人の自宅土地建物があった場所に行ってみました。

 

すでに解体が済み、更地となっていました。

 
一部擁壁が壊れていたため、その修理が始められていました。

 

おそらく、きれいに造成して生まれ変わった後、今後ご自宅を建てたいという方に譲渡されるのだと思います。

 

こうして、時が止まってしまった不動産が、また新たな世代に渡っていくというのは、いつ見ても良いものだと感じます。

 

個人的には、もう一歩先のことにもチャレンジしていきたいと思っております。

 

まだ具体的な計画等があるわけでなありませんが、空き家を解体せず、クリーニングやリフォームをして次の方に住んでもらうというモデルを作れないかと思っています。

 

または、DIYの技術を持っている方、DIYを趣味としている方に譲渡し、古い空き家のDIYをしながら生活することを楽しんでいただくというのも良いと考えております。