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弁護士・税理士の鳥光でございます。
ニュースサイトなどをチェックしていると、空き家に関する記事をよく見かけるようになりました。
京都では空き家などに課税するいわゆる空き家税の導入がなされることが決定したり、高級住宅地として有名な東京の世田谷区は全国の自治体の中で最も空き家が多いという話題が出てくるのは、空き家に対する関心の高まりを表しているのだと考えられます。
これらの空き家の中には、所有者がいるが居住・管理がされていないものと、相続人不在により所有者がいなくなってしまったものが混じっていると考えられます。
令和5年4月1日以降は、どちらのケースにおいても、法律上対応ができるようにはなりました。
空き家が増えることの問題は、主に2つあると考えております。
1つめは、倒壊や汚損、獣害・虫害、不法占有などによる、近隣住民からみた住環境の悪化です。
実際、近隣住民から住環境が悪化している旨の申入れを受けた自治体が、相続財産清算人(旧相続財産管理人)選任の申立てをするというケースもあります。
もう1つは、住宅地の供給不足です。
特に、ベッドタウンや住宅街など、比較的人口が多い地域で問題になります。
京都での空き家税の導入の背景には、住宅の供給不足という事情があったと言われています。
自治体が土地の有効活用のため、近隣住民からの申入れがなくても、率先して相続財産清算人(旧相続財産管理人)の選任申立てをしているというケースもあります。
世田谷区などは、基本的にはとても価値の高い土地であると考えられますので、空き家になったまま再利用できない状態が続いてしまうのは、社会的にも損失が大きいと考えられます。
今後、自治体主導の空き家対策が進んでいくことを望みます。