区分所有建物と財産管理3

本日も本ブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。

 

弁護士・税理士の鳥光です。

 

前回、空き家を法律的に管理する方法について述べました。

 

所有者不明となっている区分所有建物と、管理不全となっている区分所有建物の管理については、現状として、これらの特化した財産管理制度はありません。

 

区分所有建物ではない戸建ての空き家においては、令和5年4月に施行された、所有者不明土地・建物管理制度、管理不全土地・建物管理制度による管理が可能です。

 
しかし、これらの制度は、区分所有建物には適用されません。

 

この状態を踏まえ、2024年2月15日の法制審議会における区分所有法の改正要綱が採択されたことから、区分所有建物の管理に特化した財産管理制度が成立する可能性があります。

 

所有者不明となっている区分所有建物の管理については、共用部分の扱いや、建て替え決議における議決権行使などの点において、民法の所有者不明建物管理制度とは異なります。

管理不全となっている区分所有建物の管理については、さらに管理不全専有部分と、管理不全共有部分の管理制度があります。

管理不全専有部分の管理制度は、専有部分内の残置物・廃棄物、腐食した配管の管理などが想定されています。

管理不全共有持分の管理制度は、共有部分である外壁が損傷している場合や、廊下などにゴミがたくさん置かれている場合の対応を想定しています。