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弁護士・税理士の鳥光でございます。
今回は、相続税申告準備における、建物の評価についてです。
被相続人が建物を所有していた場合、建物は相続財産となります。
建物の評価は、相続開始日の属する年度の固定資産評価額が基本となります。
固定資産評価額は、固定資産税納税通知書を参照するか、固定資産評価額証明書または名寄帳を取得することで調査可能です。
建物が、被相続人の自宅など、自用のものである場合には、固定資産評価額が相続税評価額となります。
建物が賃貸物件であり、実際に借家人がいる場合には、固定資産評価額をもとに以下の計算式によって評価額を計算します。
建物の固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合 × 賃貸割合)
賃貸割合は入居率(正確には詳細な計算が必要です)、借家権割合は30%とされています。
貸家は、賃貸人側の権利の制約が大きいことから、評価額を下げることができます。
被相続人が賃貸物件を所有している場合には、もう一点考慮すべき事項があります。
特に一棟のマンションやアパートを所有している場合に多いのですが、付属の施設・設備の評価です。
駐車場や、マンションの設備については、固定資産評価証明書等には反映されないことがあります。
この場合には、被相続人の過去の確定申告書等を調査し、取得価額、償却額等を計算する必要があります。