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相続財産管理人日誌第8回目は、預貯金等の金融資産の調査についてです。
相続財産管理人選任申立書には、財産目録という添付書類があります。
そして、財産目録に記載された財産を疎明する資料(預金通帳の写しや、株式・投資信託のレポートなど)も添付されます。
申立人が被相続人の財産について詳しく調査している場合は、財産目録によって、網羅的に大方の相続財産を把握することができます。
一方、諸事情により、申立人が被相続人の財産の情報をあまり入手できない場合もあります。
被相続人の自宅の鍵がない場合や、債権者等の利害関係者が申立人となる場合です。
このときは、金融資産の情報がほとんどない状態で申立がなされます。
このような場合、相続財産管理人は、ゼロから金融資産の情報を調査しなければなりません。
具体的には、次のステップを踏んで調べます。
1 被相続人の所持品、家屋の調査
被相続人が所有していた物を調べます。
遺留品を預かっている人がいれば、その人から遺留品を受け取ります。
また、基本的には、被相続人の自宅を訪問し、捜索を行います。
具体的には、預金通帳や、証券会社のレポート、保険証券・保険レポート等を探します。
(なお、預金通帳など重要な物については、相続人のいない被相続人が孤独死などをされていると、警察から市役所等に預けられ、相続人不在として処分されていることもあります)
これらにより、被相続人が資産をを有していたであろう金融機関が判明しますので、当該金融機関に対して、しらみつぶしに照会を行うという手順になります。
2 預金通帳等が一切見つからない場合
遺留品や自宅を捜索しても、預金通帳等が見つからない場合は、とても大変です。
一般的に、銀行口座を一つも持っていないという人は非常に稀です。
そのため、一応の調査を行う必要があります。
この場合は、まずゆうちょ銀行とメガバンクから照会をかけます。
お歳を召していた方であれば、ゆうちょ銀行に口座を持っていることは多いです。
また、被相続人が地方にお住いであった場合、自宅近くにある地銀や農協、信用金庫も当たってみるとよいです。