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相続財産管理人弁護士の日誌、第6回目です。
前回、相続財産管理人に選任された後、相続財産管理人用の銀行口座を作成するというお話をしました。
その際に、通常金融機関から求められる資料につき、次の通り説明します。
1 相続財産管理人選任審判書原本
被相続人が死亡したこと、被相続人に相続人がいないこと、自身が裁判所から相続財産管理人として選任されたことを金融機関に示すために必要です。
相続財産管理人口座作成の際の書類に記載する住所や名称も、通常は審判書に書かれた通りにします。
なお、金融機関によっては、戸籍謄本類の提出を求めてくることがあります。
しかし、本来的には提出の必要はないと考えられます。
理由は、相続財産管理人選任申立ての段階で、すでに被相続人に関するすべての戸籍謄本類が裁判所に提出され、裁判所が審査をしたうえで、相続人が不在であることが確認されているためです。
そして、このプロセスを経なければ相続財産管理人の審判書は発行されませんので、審判書を以て、戸籍謄本類のチェックは不要であると説明がつきます。
もしも、それでも金融機関が応じない場合は、裁判所へ相談します。
それでも難しい場合、申立人から戸籍謄本類の写しが提供してもらえればそれで対応し、提供してもらえない場合の最終手段として、改めて戸籍謄本類を収集します。
2 身分証明書(弁護士会発行のカードのほか、運転免許証などが求められることもあります)
自身が、審判書に記載された相続財産管理人と相違ないことを証明するために用います。
通常、顔写真付きの身分証明書を用います。
3 裁判所が発行する印鑑証明書
家庭裁判所に申請することで、相続財産管理人用の印鑑証明書を発行してくれます。職印でも登録できます。
4 印鑑証明書に登録した印鑑
金融機関によって、当日口座が開設されて通帳等が発行されるところと、後日口座を開設し通帳を引き渡すところがあります。
スケジュール繰りには注意が必要です。