今回は相続財産管理人日誌、第5回目です。
相続財産管理人弁護士として体験したことを、秘密の漏洩にならない範囲で紹介していきます。
相続財産管理人は、選任されたらできるだけ早く、相続財産管理人用の銀行口座を作成します。
これは、被相続人名義の預金を移行して管理したり、不動産等を売却した際の売却金を保管する目的で作成します。
名義は通常「亡(被相続人の名前)相続財産管理人(管理人の名前)」として作成します。
この口座で被相続人に関する金銭を一元管理します。
相続財産の管理に必要な金銭を、この口座から引き出して使用することもできます(場合によっては裁判所の許可が要ります)。
逆に、仮に自分の事業用の口座や、個人の口座を使用してしまうと、お金の出入りが複雑になり、管理できなくなる可能性があります。
場合によっては横領にもなりかねないので、確実に相続財産管理人専用の口座を作成し、一元管理する必要があります。
相続財産管理人口座の開設は、金融機関の方から見ると、かなり特殊な手続きです。
感覚的には破産管財人口座よりも少ないと思いますので、もはやイレギュラー対応の領域になってくるとも思えます。
これに加え、コロナウィルスの影響により、窓口が予約制になっていたりなど、相続財産管理人口座開設にはとても時間を要する可能性がありますので、早めに手続きに着手した方が良いです。