新年が明けまして,令和も2年目に入りました。
東京で相続を中心に取り扱っている,弁護士の鳥光と申します。
今年もよろしくお願いいたします。
ここ数年,相続放棄がとても増えています。
亡くなられた親御さんが多額の借金を有していたため,突然金融機関から多額の請求をされ,大変な不安を抱えながらご相談に来られる方も多いです。
相続放棄は,本当は簡単な手続きではありません。
申述書の書き方,裁判所からの質問状への回答,相続放棄が完了するまでの残置物や債権者への対応,相続放棄完了後の債権者からの訴訟リスク対応等,どれか一つ間違えても,相続放棄が認められなかったり,親の借金を背負うことになってしまったりします。
また,相続放棄の代理人になれるのは弁護士のみです。
相続放棄申述書を裁判所に提出すると,裁判所から質問状が送付されてきます。
この質問状は十数問に渡る複雑なものである場合もあり,回答の仕方次第では,相続放棄が却下されるリスクがあります。
送付先は本人の場合もあれば,代理人の場合もあります。
代理人がいない場合(ご本人または弁護士以外に相続放棄を頼んだ場合),質問状は本人に送られてきます。
代理人に送付された場合,ちゃんと相続放棄が認められる内容で回答することができます。
さらに,代理人が就いていると,裁判所によっては質問自体をせずに受理してくれることもあります。
ご本人に質問状が送られたとしても,代理人がいれば質問の趣旨等を代わりに裁判所に問い合わせたうえで,的確な回答作成をサポートすることができます。
特に,被相続人の死亡から3か月以上経過している場合や,遺産分割協議など法定単純承認事由に該当する行為を行っている場合,過去の審判例などを引用したうえで,疎明資料を添付し,必要に応じて代理人として裁判所と電話や書面のやり取りを行います。
私は,被相続人が亡くなってから5か月経過しており,かつ被相続人の預貯金でもって被相続人の債務を返済してしまったケースにおいても,事情を詳しくお聞かせいただき,相続放棄が認められる法律構成を行い,裁判所に対して上申書等を提出した結果,無事相続放棄を認めてもらうことができた実績もあります。
相続放棄でお悩みの際は,ぜひご相談ください。