相続財産調査の労力

相続財産調査は,遺産分割および相続税申告(相続税が課せられるか否かの調査含む)の両方で必要な手続きです。

 

相続財産調査は,相続人ご本人様でも行えます。

 

むしろ,未だ相続財産調査を相続人ご本人様に行っていただく方が主流かもしれません。

 

客観的な視点からは,相続人ご本人様が調査を行う方が,手間は少ないです。

 

金融資産の調査においても,不動産の評価についても,相続人ご本人様が行う方が代理人への委任等の作業を省けるので,手続きは少なくなります。

 

しかし,相続人ご本人様が相続財産調査を行う場合,主観的な部分において,壁となるものが2つあります。

 

1つは,相続財産調査の前工程である相続人調査です。

 

正確には,ご自身が相続人であることを公的に証明する資料である戸籍謄本類の収集です。

 

これがないと,金融機関等は相続財産調査の照会に応じてくれません。

 

ご自身や被相続人の死亡時の戸籍を取得することはそれほど難しくありませんが,被相続人の出生から死亡までの戸籍を収集することは簡単ではありません。

 

もう1つは,時間の確保です。

 

戸籍謄本類を取り寄せる市役所等は,基本的には平日日中しか開いていないことが多く,金融機関は平日の15時までしか窓口を開いていないことが多いです。

 

既に定年等によりお時間を確保しやすい状況の方であればまだしも,現役でお仕事をされている方がお仕事の合間に,あるいはお仕事を休んで市役所や金融機関に行くのはとても大変です。

 

このような壁にお悩みの方は,後に行う遺産分割の協議や相続税申告等含め,相続財産調査を専門家に依頼するのが良いと考えられます。

 

相続人調査はもちろん,金融機関の名称や不動産の所在地などについて,正確ではなくてもある程度の情報をいただければ調査は可能です。

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